家と庭

ピザ窯の自作

 過去に自作したビオトープが沼のようになってしまい、家にピザ窯が欲しいといった家族のリクエストから、ビオトープのあった場所に出来るだけコストをかけず存在感のあるピザ窯が出来ないかなと思いピザ窯を作成することにしました。仕事では電気関係が専門の私ですが、色々と思考錯誤して、週末の休暇をほとんどピザ窯作りに費やし、1人でコツコツと約3ヶ月かけて2017年に写真のピザ窯を作成しました。当時撮影していた写真が出てきましたので備忘録として作成してみました。ピザ窯自作(DIY)に興味があって、ご覧になって頂いている方の自作の参考になれば幸いです。写真については制作工程で取り忘れていた部分もありますので、へたくそなイラストや模型でお伝えする部分もありますが、ご了承下さい。因みに写真のサイズのピザ窯は買うと200万円ぐらいするようですが、今回の費用は道具と材料で20万円程度で出来ました。(プロショップが販売しているような、ちゃんとした物は外観もお洒落ですが、そこはお値段相応ということで・・)

大きさ、設置場所について

大きなものですと300Kg超の重量構造物のため作ってしまうと二度と動かすことができません。作ってしまってから大きすぎて邪魔になって後悔しても、壊すのは重機が必要なレベルで非常に大変ですので、まず場所と大きさで凄く悩みました。私のピザ窯を作った場所は、もともと1mx2mのビオトープがあった場所でビオトープを無くして、その場所を使用することにしました。シンボル的なものとしても欲しかったので、火入れが大変だろうな・・と思いつつも大きさ的には見栄えのする業務用レベルのサイズ(窯の内部スペース半径45cm(横幅90cm、高さ45cm、土台 縦横2m)で作成することにしました。ご家庭で普通にピザを焼くにはこの半分のサイズでも十分だと思います。 

窯の形について

窯の形状は大別して、ドーム型、かまぼこ型、ボックス型がありますが、色々調べてみると理想の形はドーム型のようです。ピザ窯形状で理想とされる円形(ドーム)ですと実際 薪を燃やした際に炎が内部で円状に渦巻く様子が見られ、熱の回り方が良いと実感できます。円形ドーム型は作成が難しいと思われますが、木型の下準備など手間はかかりますが意外と素人の自分でも難しくなく作成することが出来ました。ぜひチャレンジしてみてください。また、熱が逃げにくい構造として入口は天井から出来るだけ低い方がよく、内部へのアクセスも考えた結果、高さ25cm 横幅 40cmとしました。

 

加熱方式

業務用ではガスを使うものもありますが、大掛かりな装置と維持費がかかりますし、毎日使うわけではないのでガスはあきらめ、普通に薪や炭で焼くことを前提に窯の加熱方法をどうするか考えました。ピザ窯にも窯(焼き床)で薪を直接燃やすタイプと、焼き床ではなく別室(下側)で薪を燃やして 焼き床を温めるタイプがあります。前者の場合は後者に比べ、構造が簡単な利点がありますが、焼き床に灰や炭があるので、綺麗に灰を除けてから焼かないと焼き物につく可能性があります。(掃って食べるので私は気にしませんが)私は後者のような底面に穴を空けて熱の流れを考えるなど複雑な形の焼き床を作るなんて無理と判断しました。また、下を全て使えるようにすると下のスペースを薪保管に使えるのと、 昔行ったピザ窯のあるお店の窯も直接焼き床で薪を燃やしていたので、同様にシンプルな構造の 焼き床 で薪を燃やす方にしました。ちなみに煙突は頂点にあってはいけません。熱は上に上がるので頂点だと煙突から抜けて窯の温度が上がりません。入口近くの低い位置に煙突を設けることで、煙や炎が煙突に吸い込まれ、ほとんど前面には出てこなくなり、安全になるメリットがあります。

次からは作成の記録です。

作り方 基礎の作成

  • 基礎については、まず外枠を杉板等で囲みます。杉板同士の接続は、木の端材を使って直角にビス止めし、私の場合、2mの正方形としました。
  • 次にバラス(砕石)を厚さ3cmほど敷き詰めて足で踏み固めます。バラスはホームセンターで1袋18Kgが200円程度で売ってますので10袋ぐらい使用しました。
  • 次に鉄網をバラスの上に敷き、その上に土台となる コンクリート ブロックをできるだけまっすぐ並べました。(水平レベラーを使用してバラスで調整)ちなみにセメント構造物は鉄筋を入れないとクラックが入りもろく崩れて終了します・・
  • 次に写真のように鉄筋を各 コンクリート の穴に1本50cmほど打ち込みました。鉄筋の長さはできれば1本あたり、1.3m以上は欲しいです(50cm地面へ打ち込み+土台高さ80cm)としています。
  • とりあえず、ブロックが動かないよう、コンクリート(セメント1:川砂1:バラス3ぐらいで調合)を練って外枠まで鉄網 が見えなくなる厚さまで地面に流し、 コンクリートブロックの穴にも流し込んで固定する。 固まるまで3,4日待つ。(写真は撮り忘れましたが、上の写真の状態でいったん固めます)
  • 固まったらさらに腰の高さぐらいまで コンクリート ブロックを積み上げ、穴にコンクリートを流しこみます。この時、次の土台作成で鉄筋を横に渡しますので、 鉄筋を引っ掛ける部分となる コンクリート ブロック上部の穴は5cmほど埋めないでください。

作り方 土台(天板部)の作成

天板部作成は写真は撮り忘れたので、模型を使ってイメージを再現し説明します。 青いのがコンクリートブロック、段ボールは耐水合板、横に渡っている針金は鉄筋、ネットは鉄網として作ってみました。

  • コンクリート ブロックの上部に鉄筋を渡します。ハンマーや鉄筋ベンダーなど使って直角に両端を5cmぐらい折り曲げコンクリートブロックの穴に引っ掛けます。(天板の金網支えに使用)私の土台サイズでは2.1mほどの長さが必要でした。模型では見えている3本の針金です。
  • 耐水合板を外周高さ10cmはコンクリートを流してもこぼれない高さに組みます。また、底面も 下から耐水合板を 入れ、下に耐熱煉瓦を積み上げてコンクリートを流し込んだ際に圧に耐えるよう支えます。(私はここを適当にやってしまったため、流し込んだコンクリートが漏れて一度やりなおす大変な目にあいました。)
  • 鉄網を鉄筋の上に重ねてコンクリートを流し込み、厚さ10cmほどのコンクリート台を作ります。重さで下の支えや枠が壊れる可能性もあるので頑丈にしておいて下さい。また、日にちをかけて少しずつ積み重ね一気に施工しない手もあります。ここまですると下の写真ような土台が出来上がります。土台の上には窯の底になる部分に耐熱煉瓦を入れ、耐火セメントで固めましょう。

作り方 ドーム部の作成

  • 丸いドーム木型の作成をします。ピザ窯内部の直径寸法で紐とマジックなどをコンパス代わりに板に円を描き、板を切り抜きます。電動ジグソーなどあれば楽ですが、自分は大きめにのこぎりで切り出して、細部はグラインダーに木工用サンディングディスクをつけて円形に削りました。できたものを4等分して90度扇型のものが4つできますが円を1セットと半分作成して扇型を6つ作ります。
  • 写真の入り口の部分下方に木の横棒が入っていますが、これで隣の扇型を支えて円形にします。、その上から薄いベニヤ板を細く切ってタッカーで止めて、ドーム状にしています。コンプレッサーとエアタッカーがあると楽でしょうが、私はハンドタッカー(ホームセンターで1000円以内)で十分作業できました。
  • ドームの下には耐熱煉瓦を敷き詰めて、耐熱セメント(定番はアサヒキャスター)で固めます。耐火煉瓦は SK-34(耐火1380℃)のアンティーク煉瓦を使用しました。SK-32 (耐火1350℃) の耐火煉瓦で十分と思います。
  • 木製ドームを乗せあとは周りに耐火煉瓦を並べて敷き詰め、木製ドームを覆っていきます。
  • 入口部分はかまぼこ型の木枠を作成して連結し、同様に 煉瓦を敷き詰めます。この時、煙突穴に煙突のパイプを立てておき、煉瓦とその周りは耐火セメントで固めてしまいます。 下のような感じに作ります。
  • 煉瓦を全部敷き詰めたら、耐火セメントで上から塗り固めます。
  • さらにポルトランドセメント(通常のセメント)で 外装煉瓦を貼り付けて、 保温性と対候性を上げます。私は 耐火煉瓦が余ったこともあり、好みのアンティークな感じでしたので、外装にも無理やりグラインダー(ダイヤモンドディスク)で煉瓦を切断して、使用しています。耐火煉瓦は固く、切断も一苦労でしたので内部は耐火煉瓦、外部はタイルや小さなブリック煉瓦(煉瓦としては切断も楽)等でも良いと思います。

作り方 鉄扉の作成

凝った鉄扉を作られている方もいますが、私は 段ボールで型を試作し、 実家で錆びて放置していた廃材の鉄板をその形にグラインダーで切り抜いて、廃品から取っておいた金属の取っ手を付けて利用しました。蓋が自立するよう、下部はL字にアーク溶接で細長い鉄板を取り付けています。扉を煙突穴よりもっと奥のほうまで入れると内部の酸素がなくなりますので、火を消すことにも使えますし、入口の近くで斜めに入れることで酸素の流入量を調整して火力の調整もできます。(ネットの鉄板屋でオーダーされても良いかと思います。)

完成

完成したら、火入れをしてドーム形状にする際に土台となった木型を取り除きます。天井の部分の木はかなり燃やさないと取れなかったですが、しっかり燃やせば木ですからなくなります。さらに薪を入れて加熱し、試しにピザを焼いてみましたが3分程度でうまく焼けました。

3年経過した現在について

現在では当時と色々変わっています。ピザ窯は風雨に晒されると耐久力が著しく低下しますので、L字の鉄骨でフレームを作成して、屋根を作成しました。前に見える白い柱は藤棚を延長したものでピザ窯とは関係ありません。ほかには、ご近所に煙の迷惑がかかりにくいよう煙突を3メートルほど延長して6メートル(地上からだと7m以上あります。)にしています。煙突部の4隅をワイヤーで張っていますので、大災害をもたらした、昨年と今年の大型台風でも倒れる事はありませんでした。あと窯の内部に、焼き板があったほうが良いだろうと思い耐火セメントで作って入れてあります。窯の横に立っているランプはアルコールランプを改良して、LED化して庭園灯と連動して点灯するようにしてあります。

 

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